YZF-R7 1,000km点検後の改めての感想

YZF-R7の慣らし運転(1,000km)が終わって、YSPで初回点検をしてもらいました。

あらためて、YZF-R7に乗って感じたこと、気が付いたことなどを書いておきます。

まず、以前から感じていた頻繁にABSが作動してしまう件は、リアサスペンションの調整で対処しました。YSPいわく、「想定体重がアメリカ人なので、日本人の体重にはリアサスペンションが固めになっている。」ということなので、柔らかめに設定してもらいました。その結果、ABSが作動することはなくなりました。リアタイヤの路面追従性が良くなったのでしょう。

その副産物として、両足のかかとが地面に届くようになりました。リアサスペンションを柔らかくして沈み込みが増えたせいですね。着座位置が少し後ろで足が少し開いてしまうため、サスペンション調整前だと足を下ろしても両足指の付け根が届く程度でした。

あれ!? そういえば、ラジエターガードがまだ届いてないですね。納品が遅れているようです。

さて、納車以来の1ヶ月、YZF-R7を街中で走らせてきました。これまでの感想も含めて、YZF-R7について感じたことをまとめてみます。

YZF-R7をひとことで表すなら「乗車姿勢はYZF-R6、エンジンは大きなYZF-R25」です。

YZF-R7をひとことで表すなら「R6になりたかったR25」です。 (2022.06.06 修正しました!)

■カラーリング
 WGP参戦60周年記念カラーが出ることが分かって、YSPに「買うから、絶対に買うから、お金を先に払ってもいいから車両を確保してほしい」と話していたら、グイッと腕力で車両を確保してくれました。

YZF-R7が発表されたとき、写真や動画ではブルーの下半分の色合いがよく分かりませんでした。ブラックがマットではなくツヤツヤだというのは良かったのですが、車両には興味があったのですが、「絶対に買う」とは思いませんでした。

WGP60周年カラーはYZR500の活躍を見ていた世代としては、ズキューンと撃ち抜かれた感じです。このカラーリングは購入の決め手になりましたね。

■燃費
 燃費はYZF-R25に近い数字が出るかと思いましたが、あまり良くなかったですね。今のところは大体、リッター30km前後です。慣らしが終わって、通常運転になったら、もう少し良くなるような気もします。ここはもう少し様子をみた方がいいですね。

■前傾姿勢がキツい
 やっぱり、前傾姿勢はキツイです。YZF-R6並みの前傾で、YZF-R25とは比較になりません。ただ、最初はシートの一番前に座っていたのですが、着座位置を少し後ろにすると背中の曲がりが緩くなり、前傾姿勢でも楽に走れるようになりました。身長175cmだと、シートの一番前に座ると窮屈です。

YZF-R7は前傾姿勢がきついこともあり、上体を支えるために強めのニーグリップ力が必要です。そして、走った翌日には内股が筋肉痛になりました。なのですが、ほかの場所、腰や背中、肩、首、腕などは全く痛くなりませんでした。これは、もしかしたら、ちゃんと下半身で支えられているということなのかも! RZ250RでもYZF-R25でも空気抵抗を減らすために上体を伏せて、タンクに張り付くような姿勢で乗っていた、その経験が生きているのかもしれません。

上体を起こして走ってみましたが、腕が伸びてしまい操作性が落ちますね。また道路のギャップで跳ねたときなどは、車体の動きが体に直接伝わってしまい、運転しづらくなります。やっぱり、腕が曲がるように体を伏せた方がいいですね。

■足着き
 着座位置が少し後ろの状態で信号などで停車した時、両足の指の付け根が地面に届く程度です。でも、手を放して股の間でR7を左右に振ることもできました。その状態でツンツンとバックもできます。降りて押す時は重さを感じますが、乗った状態の方がバイクを動かしやすいようです。

ただ困ったのが、足を降ろすとステップに引っかかるんです。足の上げ下ろしで、レーシングブーツの上部でステップを引っ掛けて持ち上げてしまうことがありました。着座位置を少し後ろにしたこともあるのでしょうが、これはバックステップにしたいかも。

■2気筒のSR / トルクで乗るYZF-R6
 しばらく走っていて気が付いたのは、発進時は2,000rpm〜3,000rpmの間でドンドンとシフトアップして、すぐに6速に入れて走るのが楽なことです。そして、ノッキングすれすれの低い回転数で走らせるようにしていました。加速するときにノッキングしても、わざとアクセルを多めに開けたり、半クラッチを使ったりしてノッキングを防いでいました。この走り方はSR400に乗っていた時と同じです! 344cc x 2気筒ですから、2気筒のSRだと勝手に解釈していました。

でも、乗車姿勢に着目すると、トルクで乗る街乗りYZF-R6という見方もできます。

また、YZF-R25よりもエンジンが滑らかに回るようです。排気量が大きいから?それとも、加工精度の差?はたまたバランサーなのか、もしかして270度クランクだからなのか、原因は分かりませんが滑らかでした。

■エンジンは静か
 エンジンの音はとても静かです。自分のエンジン音が気になったことはありませんでした。ただ、その代わりに不思議な音に気がつきました。「風切り音」というか「整流音」という呼び名でいいのか分かりませんが、エンジンと前輪の間、カウルの中で空気の流れる音がしました。でも、この音はもしかしたら、フロントタイヤの音なのかもしれません。

5,000~6,000rpmくらいまで回せば音も振動も増えますが、2,000~3,000rpmだと「エンジン回ってる?」と心配になるくらい静かです。6速 2,500rpm前後で走ると時速60km前後ですが、その組み合わせが街を流す時には楽だし、車の流れにも乗れるし、ベストなのかもしれません。しかもエンジンは静かでスルスルと走ります。その時のスロットルは基本的にパーシャルですが、加速せず減速しない状態を保つようにほんの少しだけ入力してます。

■エンジンの排熱
 YZF-R6ほどではありませんが、渋滞で熱気が上がってきます。足もホンワカと暖かさがありました。真夏にどうなるか少し心配です。

■慣らし上限の6,000rpmも回さない
 慣らしのとき、エンジンの回転数上限は6,000rpmです。走ってみると、6速4,000rpmで時速100km前後になります。そのまま計算すると、6,000rpmでは時速150kmになるんですよね。そんなにスピードは出さないです。加速するときも、4,000rpmあたりまでを使えば、高速道路での加速も十分です。それに、6速 2,500rpmからでも十分に加速していきます。

YZF-R25の慣らし運転中は、速度が出ないことがとてもストレスでした。一方、YZF-R7は、「もっと上まで回さないと交通の流れに乗れない」ということは一度もありませんでしたし、周囲の車を追い越すこともできるほどです。

慣らし1,000kmが終わったので、これからは上限回転数を上げていきます。上の方の回転を使った時、YZF-R7の性格がどうなるのか、ここはこれから分かってくると思います。

■リアブレーキ(ABS)
 走り出してしばらくは、リアのブレーキペダルが踏みづらく感じました。段々と慣れて来て、リアブレーキを使ってみるとABSが作動してしまいました。それほどスピードが出ていない状態で信号で停止したときですが、足にタタタタタッという細かい振動が来ました。リアを強く踏みすぎた? うーん、なんだかABSはよく分からないです。できればカットしたいと思っていましたが、リアサスペンションを柔らかくしたことで解決したようです。

■アシスト&スリッパークラッチ
 初めて経験するスリッパークラッチ。YZF-R25の2019年型にも導入されるという噂があって期待していましたが、残念ながらR25には導入されませんでした。RZ250RからYZF-R25に乗り換えたとき、何しろ慣れなかったのが「4スト車のエンジンブレーキ(バックトルク)」です。RZ250Rではスロットルを捻って前進して、パンッとスロットルを戻していました。同じ操作をYZF-R25で行なうと、ガックンとエンジンブレーキの反動が来ます。2スト社は市販の自転車と同じく、漕いだときにはタイヤに力が伝わりますが、漕がない時は(スロットルを捻らなくても)少しだけエンジンが抵抗になりますが、4ストに比較すれば空転しているように感じます。ですが、4スト車は競技用の自転車みたいに、漕いだ分しか進まず、漕がないとそれがブレーキになります。

ですが、YZF-R7に導入されたスリッパークラッチ、これはいい! バックトルクがとても穏やかになります。排気量688ccなのに、YZF-R25よりもバックトルクが少ないように感じるくらいです。

スリッパークラッチはその効用に感動しましたが、アシストはそれほど効果を実感できませんでした。特に下道の信号で 「Stop & Go」が続くと、左手が疲れます。でも、乗り始めた頃よりは慣れて来たので、今はそれほどではありません。

RZ250R時代の乗り方が身に染み付いていて、速度調整は右手でスロットルを捻るよりも、ギアチェンジで速度調整をしているようです。ギアチェンジじゃなくて、右手のスロットル主体で速度変更すれば左手は疲れないのでしょうけれど。

■ステップは踏ん張りがききます
 ステップが短かいという意見を目にすることがありました。うーん、そうでしょうか。このステップは表面の凸凹がレーシングブーツによく食い込んで、足がずれることがありません。ステップの長さが足りないと感じたことはありませんし、逆にこれより長いと邪魔になりそうです。

■バックミラー
 「後方が見えづらい」、雑誌などのインプレで見かけた意見です。でも、そんなことはないと思います。上体をやや伏せるように(タンクに被さるように)、そんな姿勢で乗っていましたが、後ろはちゃんと見えました。4,000〜5,000rpm辺りだったか、振動でブレブレになったのには困りましたが。

■重くて安定しているのに軽い
 YZF-R7は車重が188kgで、YZF-R25より20kgほど重くなりました。RZ250Rと比較すると40kgほど重くなりました。RZ250RとYZF-R7は小柄な女性ひとり分も違います。

車重が増えた効果として、風に強くなりました。なのですが、それなのに、RZほどではありませんが車線変更が軽く感じました。下り坂では車重の差を感じますが、平地ではそれほど違いはありませんでした。そして、停車時に股下でバイクを振った場合でも、それほど重さを感じませんでした。

箱根の椿ラインも走ってみましたが、あそこはダメですね。車重が重くなったことよりも、馬力が増えたことでバイクが扱いづらくなりました。リッター車で駆け抜ける方々をよく見かけますが、自分はYZF-R6/7のどちらでも怖くて走れません。RZ250Rで走った時は楽しかったのですが。

■YZF-R25 + 20km
 YZF-R25と同じ感覚でスロットルを捻ると、時速20kmほど余分にスピードが出てしまいます。これは気をつける必要がありそうです。 

■サスペンション
 そうそう、サスペンションは路面の凸凹をとても良く吸収してくれました。標準設定が柔らかめ?なのかもしれません。YZF-R25の標準設定だと跳ねてしまうようなところでも、何事もなく走ってくれました。

■サイドスタンド
 サイドスタンドの中程に、足を引っ掛けるような「出っ張り棒」が出てます。ヤマハとしてはその棒を足で押して、サイドスタンドを出し入れして欲しいのだと思います。でもですね、位置が中途半端なんですよ。押しづらいんです。

サイドスタンドの先端に足を引っ掛けて、出し入れする方が簡単です。

■チェーン初期伸び
 YSPいわく「チェーンの初期伸びが足りない」とのことでした。1,000km走行時に想定されている伸びの「半分」らしく、もっとスロットルをワイドオープンした方がいいとアドバイスを受けました。運転が優しすぎるんじゃないか、とも言われましたけど。

■YZF-R25/3からのステップアップ
 ステップアップという言い方が適切なのか疑問はありますが、YZF-R25/3から乗り換える大型車としては選択肢のひとつになると思います。ただ、よりキツくなる前傾姿勢が大丈夫なら、という条件つきですけれど。

好きなバイクに乗るのが一番ですが、初めてのバイクを相談されたらYZF-R7よりもYZF-R25/3を勧めると思います。最初はバイクに乗ることが楽しくないと続かないですよね。キツイ乗車姿勢だと乗るのがしんどくなると思います。

■カスタム
 (1)ガラスコーティング(CR-1)、(2)ETC装着、(3)ラジエータガード、(4)イモビ、(5)スイングアームスプール。

ラジエターガードだけはまだ納品待ちです。バイク自体のカスタマイズはこれで終了です。しばらく乗ってみて、不都合なところが出て来たら、そのときにカスタムを悩むことにします。

バイクのカスタムではありませんが、レーシングスタンドは買うと思います。せっかく、スイングアームスプールを付けたし。

■今後
 YZF-R7にもだいぶ慣れて来ました。これからは慣らし運転を意識せずに、自分のスタイルで走っていこうと思います。YZF-R7を学ぶのはこれからです。

YZF-R7 1,000km点検後の改めての感想」への2件のフィードバック

  1. 櫻 伊右衛門

    もう1000kmを超えてるんですね。
    こちらはようやく5/28に納車となりました。
    まだちょろっとしか走れてないので,走りに出られる休みが待ち遠しいです。

    返信
    1. takayuki 投稿作成者

      コメントありがとうございます。
      納車おめでとうございます!
      これから、走るのが楽しみですね!
      暑い日が多くなってきましたので、熱中症にはお気をつけください。

      返信

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